小学生向けロボットの講座はある?

書道教室の先生の強がり

今から30年以上も前の話になりますが、小学1年生から6年生まで、書道教室に通っていました。
親が通わせた理由としては 、素養として美しい字が書けるようになって欲しいということだけでなく、私の左利きを矯正したかったからというのもあったと思います。今の子供たちには信じられないかもしれませんが、30年以上も前には左利きの人への差別や偏見が、日本社会には根強くあったのです。つまり、嫌々通わされたのです。そして、私には6年間を通じて、書道への関心はつゆも芽生えませんでした。だから、6年間も通わされ続けた割には、字も大して上手くなりませんでした。
書道教室の先生は、実は私立高校の教員でした。副業として、毎週土曜日の午後にご自宅にて書道教室を開講していたのです。当時はまだ、学校も週休2日制ではありませんでした。土曜日は半ドンで、午前中も学校では授業があったのです。ですので、先生が学校での仕事がやむをえず長引いてしまい、書道教室に先生が不在ということがたびたびありました。その場合には、先生の奥さんが代わりに指導していました。しかし、先生の奥さんは書道に関しては、ずぶの素人でした。
それに、先生自身の書の腕前も、あまり高くは評価されていなかったようです。だから、生徒は少しずつ減っていきました。ついには、たった数人だけになってしまいました。もちろん、私も本当はやめたかったのです。しかし、生徒が数人では、親がそれを許してくれたとしても、かえってやめづらくなっていました。
ある日、教室でたった一人、私が書道を習っていますと、先生にお客さんが訪ねて来られました。そのお客さんも、書道家でした。二人の会話が聞こえて来ました。お客さんは「うちの生徒をあんたのとこに少し回してやろうか?」と先生に言いました。すると先生は、「いいよ。生徒が少ないほうが上手くなるし」と強がりを言っていました。ただやめるきっかけが欲しいとしか思っていなかったので、その会話を聞いて、私は子供ながらすごくいたたまれない気持ちになりました。